今日は何の日?
1月5日は囲碁の日
日本棋院が提唱しました。「い(1)ご(5)」の語呂合せです。
囲碁は2人のプレイヤーが、碁石と呼ばれる白黒の石を、通常19×19の格子が描かれた碁盤と呼ばれる板へ交互に配置します。
一度置かれた石は、相手の石に全周を取り囲まれない限り、取り除いたり移動することはできません。
ゲームの目的は、自分の色の石によって盤面のより広い領域(地)を確保する(囲う)ことです。
囲碁は、単に碁とも呼ばれます。
アブストラクトゲーム、ボードゲームの一種で、ゲーム理論の言葉で言えば二人零和有限確定完全情報ゲームです。
勝敗は、より大きな地を確保することで決定されます。
ゲームの終了は、将棋やチェスと同じように、一方が負けを認めること(投了という)もしくは双方の「もう打つべきところがない」という合意によって行われます。
他のボードゲームと比較した場合の特異な特徴は、ルール上の制約が極めて少ないこと、パスが認められていることが挙げられます。
発祥は中国と考えられ、少なくとも2000年以上前から東アジアを中心に親しまれてきました。
そうした文化・歴史の中で爛柯(らんか)をはじめとしたさまざまな別称を持ちます。
日本でも平安時代から広く親しまれ、枕草子や源氏物語といった古典作品にも数多く登場します。
戦国期には武将のたしなみでもあり、庶民にも広く普及しました。
江戸時代には家元四家を中心としたプロ組織もでき、興隆の時期を迎えました。
明治以降も引き続き広く親しまれ、近年ではインターネットを経由して対戦するネット碁も盛んです。
西洋的な価値観からはチェスなどと同様マインドスポーツ(つまり競技)でもあり、国際囲碁連盟は国際オリンピック委員会が承認する国際スポーツ団体総連合に加盟し、五輪競技としての採用を目指しています。
中国・広州で開催される2010年アジア競技大会では競技種目として採用されました。
日本では古くから親しまれ、駄目、布石、捨て石、定石など、数多くの囲碁用語は、そのまま日本語の慣用句としても定着しています。
「碁」という字は本来は「棋・棊」の異体字で、意味も発音も同じでした。
現在も中国では「围棋(圍棋)」と書きます。
日本漢字音での「ゴ」と「キ」の音の違いは呉音と漢音の違いに由来します。
囲碁の実際の起源ははっきりとはわかっていません。
少なくとも春秋時代には成立していたようで、『論語』・『孟子』の中には碁の話題が出てきます。
中国碁は前漢時代17路盤であったと考えられています。
伝統的な中国碁は、盤上に多くの石を載せたほうが勝ちというルールでした。
初期の碁石は、唐宋期のものが残っています。
その後5世紀には朝鮮へ、7世紀頃に日本に伝わったとされています。
そのころから日本の貴族を中心に広く遊ばれ、正倉院には碁盤と碁石が収められています。
清少納言や紫式部も碁をよく打ったとされ、枕草子や源氏物語中にも囲碁と思われるものが登場します。
室町時代末期からは碁打ちが公家や武将に招かれるなどの専業化も進むとともに、それまでの事前置石制から自由布石への移行も起こりました。
戦国時代には戦国武将たちに大いに好まれ、織田信長に日海(本因坊算砂)が名人の称号を許されたと言われます。
江戸時代には幕府から家禄を受ける家元制度が成立し、囲碁の技術が飛躍的に向上するとともに、将軍御目見えによる御城碁が行われたり、碁会所が生まれるなど庶民の娯楽としても定着しました。
1999年ごろには漫画『ヒカルの碁』の影響で若年層にも囲碁ブームが生まれました。
囲碁は日本のみならず韓国、北朝鮮、中華人民共和国、台湾などでも盛んに行われ、その他にも北アメリカ・南アメリカ、ヨーロッパなどでも行われています。
今日、囲碁は世界80ヶ国以上で打たれており、世界選手権も行われています。
レジャー白書によると、日本の囲碁人口は2015年で推計250万人です。
2013年の年齢別構成は男+女合計で10歳代11.8%、60歳以上8.1%でした。
囲碁は、そのルールの単純性と複雑なゲーム性から、コンピュータの研究者たちの格好の研究材料となってきました。
他のゲームと比較した囲碁の特徴としては、盤面が広く、また着手可能な手が非常に多いため、盤面状態の種類およびゲーム木(ゲームき)がきわめて複雑になることが挙げられます。
盤面状態の種類は、チェスで1050、シャンチー(象棋)で1048、将棋で1071と見積もられるのに対し、囲碁では10160と見積もられます。
また、ゲーム木の複雑性は、チェスで10123、シャンチーで10150、将棋で10226と見積もられるのに対し、囲碁では10400と見積もられており、チェス、シャンチー、将棋と比較して囲碁の方がゲームとして複雑であるとされてきました。
チェスの世界では、1996年のガルリ・カスパロフとの対局で、初めて単一のゲームで世界チャンピオンにコンピュータが勝利しました。
また、1997年にはオセロの世界チャンピオンであった村上健がコンピュータとの6番勝負で6戦全敗し、2006年にはシャンチーのプログラムが大師との対局に勝利、2012年には将棋棋士の米長邦雄がコンピュータに敗れました。
その一方でコンピュータ囲碁の棋力は伸び悩み、2000年代初頭においてもアマチュアの有段者に及ばない程度の棋力であったが、2000年代後半に入るとモンテカルロ法を採用したコンピュータの登場により棋力が上昇し、2012年ごろにはアマ六・七段程度の棋力に達しました。
その後、2016年にディープラーニングの技術を用いたGoogle DeepMind社の開発したAlphaGoが、ヨーロッパのプロ棋士樊麾二段に2015年10月に勝利していたことが公表され、2016年3月に行われた韓国のトップ棋士である李世乭との5番勝負も4勝1敗で制しました。
Google DeepMind社の発表前は、他のコンピュータプログラムの棋力はまだアマ六・七段程度であり、トップ選手が公の舞台で敗れるかなり前からコンピュータの高い実力が広く知られていた他のゲームとは異なる展開を見せました。