今日は何の日?
7月24日は劇画の日~!
1964年、青林堂が劇画雑誌「ガロ」を創刊したのがこの日です。
白土三平の「カムイ伝」をはじめ、水木しげる、つげ義春などが登場し、大人向けの劇画ブームの火付け役になりました。
「劇画」という名称は漫画家辰巳ヨシヒロの考案によるもので、「幽霊タクシー」で初めてその扉ページに使用されたのが始まりです。
劇画とは、それまでの漫画から一線を画した漫画表現の手法であり、青年向け漫画を子供向けの漫画と異化・区別させるために作られたジャンルです。
1959年に辰巳ヨシヒロが中心となり、石川フミヤス、K・元美津、桜井唱一、山森ススム、佐藤まさあき、さいとう・たかをら7人で劇画制作集団「劇画工房」が結成され、その誕生以降の劇画ブームによって世間一般に「劇画」という名称が定着しました。
劇画の記述的な手法としては、カメラワークを使ったコマ割りが挙げられます。
俯瞰や煽りを取り入れた三人称視点のダイナミックな視点からの描写や人物のアップによる内面心理描写などです。
今までの漫画の視点はほぼ正面固定で、人物をアップにする事は手抜きと見なされていました。
また、太字で強調された擬音や、効果音、集中線を使った演出、同じシーンを連続的にコマに描く事によって時間経過を圧縮する演出なども劇画工房の開発によるものです。
しかし、これらの技法はすぐに模倣されて漫画の一般的な技法として定着し、劇画の独自手法としてみなされなくなってしまったため、世間一般には劇画雑誌ブームの際に流行した「描線の多いリアルタッチな画風の漫画が劇画である」というステレオタイプなイメージが残ってしまいました。
劇画ブームは、1972年のあさま山荘事件などの左翼の過激化で学生運動が退潮したと同時に、革命をテーマに若者らに支持されていた劇画業界も冷え込んでいきました。
劇画は「重く」「暑苦しい」ものとして若者らから敬遠されるようになり、それまで人気を誇っていた劇画雑誌は急激に部数を落としていき終焉していきました。
追記:「例がほしかった」とブクマでコメントいただきましたので、代表的な作品を紹介いたします。
主な劇画作家と作品
白土三平「カムイ伝」
小島剛夕「子連れ狼」
川崎のぼる「巨人の星」
さいとう・たかを「ゴルゴ13」
平田弘史「座頭市」
佐藤まさあき「堕靡泥の星」
辰巳ヨシヒロ「劇画大学」
かわぐちかいじ「沈黙の戦艦」
ながやす巧「愛と誠」
寺沢武一「コブラ」