今日は何の日?
8月31日は野菜の日
「や(8)さ(3)い(1)」の語呂合わせから、全国青果物商業協同組合連合会をはじめ9団体の関係組合が、1983年に制定した記念日です。
栄養たっぷりな野菜を再認識してもらうとともに、野菜のPRを目的にしています。
野菜は、食用の草本植物の総称。水分が多い草本性で食用となる植物を指し、主に葉や根、茎(地下茎を含む)、花・つぼみ・果実を副食として食べるものをいいます。
現代において世界で栽培される野菜の多くは、中国、インドから東南アジア、中央アジア、近東、地中海岸、アフリカ(サヘル地帯及びエチオピア高原)、中央アメリカ、南米のアンデス山脈の8地域を起源としています。
これらの地域は農耕文明の発祥地と重なっています。
また、もともとの生息域が広く、栽培化地域が複数にまたがっている野菜も多いです。
中国においてはハクサイ、ネギ、ゴボウが、インドから東南アジアにおいてはキュウリやナス、サトイモ、中央アジアではダイコン、ニンジン、タマネギ、ホウレンソウ、ソラマメなどが栽培化されています。
近東地域ではレタスやニンジンやタマネギが栽培化されています。
地中海岸は野菜の一大起源地であり、キャベツやエンドウマメ、アスパラガスやセロリが栽培化されています。
アフリカのサヘルからエチオピア高原にかけては、ササゲやオクラなどが栽培化されました。
中央アメリカにおいてはインゲンマメやサツマイモ、カボチャが栽培化された。南アメリカ・アンデスにおいては、トマトとジャガイモ、それにトウガラシやピーマン、カボチャの栽培化が行われました。
こうした中心地のほか、世界各地で野草採集から発展した独自の野菜が栽培されており、各地独特の食文化の重要な要素となっています。
日本においては、フキやウド、ミツバなどのように日本原産の野菜も存在しますが、ほとんどの野菜は日本列島の外で栽培化されたものが持ち込まれたものです。
その移入の歴史は古く、すでに縄文時代の遺跡である福井県の鳥浜貝塚においては、ゴボウ、カブ、アブラナ、リョクトウ、エゴマ、シソなどの種子が出土し、栽培されていたと考えられています。
この発見は弥生時代の稲作伝来以前からすでに農耕が開始されていたこと、および縄文時代にすでにはるかな遠隔地で栽培化されていた野菜(カブやアブラナは地中海沿岸、エゴマやシソやリョクトウはインド原産)が伝来しており、大陸をはじめとする広範囲な移動がすでに行われていたことを示しました。
このほか、1世紀ごろまでにはゴマ、サトイモ、ニンニク、ラッキョウ、ヤマイモ、トウガンなどがすでに伝来しており、古墳時代にはナス、キュウリ、ササゲ、ネギが伝来しました。
古事記や日本書紀にはカブやニラの、万葉集では水葱(なぎ、現代のミズアオイやコナギ)やジュンサイ、ヒシ、セリ、瓜(マクワウリ)などの記述が存在します。
このほか、現代ではあまり野菜としては使用されない水葱や羊蹄(しのね、現代のギシギシ)なども使用されていました。
その後江戸時代に入り、平和が続き経済が成長すると野菜の需要も高まり、特に一大消費地である江戸の周辺では大量の野菜が栽培され都市へ運び込まれるようになりました。
小松菜や練馬大根などのように、地名をつけブランド化する野菜が現れ始めたのもこのころのことです。
こうした傾向は江戸に限ったことではなく、京野菜や加賀野菜をはじめ、各地で特色ある野菜が開発され定着したのも江戸時代のことでした。
明治時代に入ると文明開化の潮流とともにタマネギやトマト、キャベツをはじめとする西洋野菜が多く流入し、日本の野菜はより多様なものとなりました。