今日は何の日?
2月9日はふくの日
魚のふぐの本場、下関では河豚(ふぐ)を「ふく」と発音し、「福」と同じ発音であることから縁起の良い魚とされています。
「ふ(2)く(9)の語呂合わせから、下関ふく連盟が1980年に制定しました。
ふく豊漁および航海安全の祈願などが恵比寿神社でおこなわれます。
フグはフグ目、特にフグ科に属する魚の総称で、およそ120種の魚がフグ科に分類されます。
そのうち食用とする種として、トラフグ、マフグなどが有名です。
食用可能な部位はフグの種類や漁獲場所によって異なるため、素人によるフグの取扱いや調理は危険です。
実際、日本における食中毒による死亡事故の原因のほとんどがキノコとフグの素人料理であり、その内、フグによる事故の多くには個人的なレジャーの釣りが関係しています。
多くの種において、内臓や皮膚、血液、筋肉の全部または一部に毒性のあるテトロドトキシンを持ちます。
クサフグなどのフグ毒の成分は主にテトロドトキシンですが、微量のサキシトキシンも含まれます。
また、ハコフグはテトロドトキシンを蓄積せず、パフトキシンを蓄積します。
フグの毒化の原因については、フグ自身がフグ毒を産生しているとみる内因説と、餌など外部から取り込まれるとみる外因説がありますが、フグ毒は海洋細菌によって産生され、食物連鎖によってフグの体内に蓄積されるとみる外因説が有力となっています。
もともと有毒渦鞭毛藻などの有毒プランクトンや、ビブリオ属やシュードモナス属などの一部の真正細菌が生産したものが、餌となる貝類やヒトデなどの底性生物を通して生物濃縮され、体内に蓄積されたものと考えられています。
フグはテトロドトキシンに対し高い耐性を持っているため、フグ自体が中毒することはありません(これは自然に蓄積する濃度のテトロドトキシンに耐えられるという意味で、人為的に高濃度のテトロドトキシンを与えれば中毒します)。
敵を威嚇するために体を膨らませる姿がよく知られます。
この姿から英語では "Pufferfish" といい、これは「ふくらむ魚」という意味を持ちます。
胃の腹面の膨張嚢に空気や水を吸い込んで体の体積を2倍以上にすることができます。腹部にとげ状の短い突起がある種もいます。
歯(顎歯)がよく発達しており、これが融合した強靭な4つの歯を持ちます。
主に海水魚ですが、汽水や淡水に生息する種もいます。
その愛嬌のある姿から、キャラクター化されることもままあります。
また、一般的に硬骨魚はまぶたを持ちませんが、フグは油瞼という膜で目を覆っています。
といっても瞬間的に開閉するものではなく、十数秒かけてゆっくりと閉じたり開いたりします。
漢字で「河豚」と表記しますが、「河」と書くのは中国で食用とされるメフグが河川など淡水域に生息する種であるためで、また、このメフグが豚のような鳴き声を発することから「豚」の文字があてられているとされています。
下関や北九州などでは「ふく」と呼ばれます。縁起をかついで「不遇」あるいは「不具」につながる「ふぐ」ではなく、「福」につながる「ふく」と呼びます。
大阪では「たまに(偶に)当たる」を「弾に当たる」「当たると死ぬ」に掛けた洒落から「てっぽう(鉄砲)」と呼びます。
「てっさ(てっぽうのさしみ)」「てっちり(てっぽうのちり鍋)」という料理名はここから来ています。
フグ食禁止令のために「テツ」の暗号が用いられたともいわれています。
長崎県島原地方でフグを指す方言「がんば」は、「がんば置いてでん食わんば(棺桶を置いてでも食わねば)」の略といわれています。
ナゴヤフグは瀬戸内海地方におけるナシフグ、コモンフグ、ヒガンフグ等の別称です。
「当たれば身の終わり(美濃・尾張)になる」→「尾張といえば名古屋」の連想から「ナゴヤフグ」となったとされています。