今日は何の日?
2月7日はフナの日
「ふ(2)な(7)」の語呂合せです。
茨城県古河市のフナ甘露煮店協会が2001年に制定しました。
フナ(鮒)は、コイ目コイ科コイ亜科フナ属に分類される魚の総称。
ユーラシア大陸において広く分布する魚の一種です。
日本を含むユーラシア大陸に広く分布し、河川、湖沼、ため池、用水路など、水の流れのゆるい淡水域などにも生息し、水質環境の悪化にも強い魚です。
他のコイ目の魚同様背びれは1つだけで、ひれの棘条は柔らかくしなやかです。
背中側の体色は光沢のある黒色か褐色で、腹側は白色です。全体的な外見はコイに似るが、口元にひげがありません。
また、コイに比べて頭が大きく、体高も高い魚です。体長は10-30cm程度ですが、ゲンゴロウブナやヨーロッパブナは40cmを超えるものもいます。
ゲンゴロウブナとその品種改良種であるヘラブナは植物プランクトンを食べますが、他のフナはほとんどが雑食性です。
水草、貝類、昆虫類、甲殻類など、さまざまなものを食べます。
産卵期は春で、浅瀬の水辺に集まって水草などに直径1.5mm程度の付着性卵を産みつけます。
フナは、人間に触れやすい環境に生息していることから、身近な魚として人々に親しまれてきました。
例えば、日本社会では多くの人が知っている文部省唱歌『ふるさと』(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)には、「小鮒(こぶな)釣りしかの川」という一節があり、郷里のイメージのひとつとして歌われています。
また、日本の古典文学である『万葉集』や『今昔物語集』にも「鮒」はしばしば登場しています。なお、こうした古典文学におけるフナの別名としては波臣、フモジ、山ぶきなどがあります。
また、色素変異を起こして体色が赤色となったものをヒブナと呼びます。キンギョはヒブナをさらに品種改良したものです。
釣りでの餌はミミズや練り餌が用いられます。フナは水の流れのゆるいところにいるので、ウキを利用した釣り方が一般的です。
釣り上げる際には、うまくウキの動きに合わせて釣り竿を上げる必要がありますが、それほど高級な釣具を使う必要もなく、さまざまな淡水域に生息している魚であるため、年齢を問わず多くの人々にフナは魚とりや釣りの対象となっています。
そのため、「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」と言われるほど基礎的な釣りです。
フナはアジア地域においてしばしば食用とされています。
日本においては滋賀県の「鮒寿司」や愛知県・岐阜県・三重県の「鮒味噌」、岡山県の「鮒飯」、佐賀県(鹿島市)の「鮒の昆布巻き(ふなんこぐい)」などの伝統的なフナの料理が知られています。
かつては身近で重要な蛋白源としてよく食べられていましたが、近年では、淡水魚独特の泥臭さが敬遠されたり、フナそのものが水環境の悪化によって減少したりしているため、一般的には食べる機会は減っています。
しかし、フナの食利用が途絶えたわけではなく、例えば滋賀県の鮒寿司は現在でも著名な特産品の一つです。
佐賀県鹿島浜町では毎年1月19日の早朝から「ふな市」が行われ、鮒が販売されています。
早朝に買い求めた客はそれぞれが家庭にて「ふなんこぐい」として調理するのに半日以上を要するため、翌日の二十日正月に間に合わせるため、市は早朝に開催されます。
ふな市ではヘラブナよりマブナが美味とされ、より高額で売られています。
その他、日本での一般的な調理方法として、塩焼きや煮付け、天ぷら、甘露煮、刺身、洗いなどがあるほか、小さいフナを複数、一本の竹串で刺し連ね、タレをつけて焼くすずめ焼きなどもあります。
また、小鮒を素焼き(白焼き)にしてから煮るとよいダシが出るといいます。
香川県では、酢漬けにしたフナの切り身を野菜と酢味噌で和えた「てっぱい」という料理もあります。
長野県佐久地域の「鮒寿司」は、フナの甘露煮を酢飯の上に載せたもので、滋賀の鮒寿司とは異なるものです。
しかし、生食や加熱不完全な調理状態の物を摂食すると、肝吸虫や有棘顎口虫による寄生虫病を発症する可能性があります。