今日は何の日?
2月2日は麩の日
協同組合全国製麩工業会が制定。 「ふ(2)」の語呂合せです。
麩は、グルテンを主原料の1つとした加工食品。グルテンは、水で練った小麦粉に含まれるタンパク質のひとつです。
室町時代初期に明から渡来した禅僧によって製法が伝来したとされ、タンパク質が不足しがちな当時の精進料理を豆腐と共に蛋白源の一翼を担う食材です。
原料を茹でて製品にした生麩、原料を焼成した焼き麩、中華料理などで使われる原料を油脂で揚げた揚げ麩、原料を煮た後に乾燥させた乾燥麩があり、それぞれ食感が異なります。
煮物・汁物・和え物や、すき焼きなどの鍋物の具、沖縄料理の炒め物の材料としても多く用いられています。
秋田などの東北地方の一部や北海道の一部ではラーメンの具として用いられています。
また、近年では滋賀県の一部でもラーメンの具として用いられています。
京都においては精進料理の材料の一つとして重用されるほか、京料理としても利用されます。
生麩や焼き麩は、料理以外に、菓子として用いられる事があり、前者は小豆餡を包んで麩饅頭、後者は生地に着色して砂糖を練り込み、麩菓子などの駄菓子とします。
黒糖で花林糖のような風味を持たせた麩かりんとうもあります。
人間の食用以外には、焼き麩を粉状にしたものがコイやヘラブナの釣りエサに用いられます。
生産地
日本
山形県 - 焼き麩
宮城県・岩手県(旧仙台藩地域) - 揚げ麩
新潟県村上市 - 焼き麩
石川県金沢市 - 生麩、焼き麩、飾り麩
京都府京都市 - 生麩、飾り麩
奈良県 - 生麩、焼き麩
沖縄県 - 焼き麩
中国
中華人民共和国江蘇省無錫市 - 揚げ麩(上海料理の煮物)、「麺筋塞肉」、精進料理
麩の作り方は、小麦粉に食塩水を加えてよく練って生地を作り、粘りが出たところで生地を布製の袋に入れて水中で揉みます。
デンプンが流出した後に残ったグルテンを蒸して生麩(もち麩)が作られます(流出したデンプンを乾燥させたものが浮き粉です)。
生麩を油で揚げると揚げ麩になります。生麩を煮てから成形して乾燥させると乾燥麩になります。
上記のようにして作られたグルテンに、小麦粉、ベーキングパウダー、もち米粉などを加えて練り合わせ、焙り焼きしたものが焼き麩です。
生麩には、ゴマ、ヨモギ、紅花などの素材を加えて、風味や色をつけたものもあります。
また、流出したデンプンを集めて乾燥させたものを正麩(しょうふ)・浮き粉・じん粉と呼んで、玉子焼(明石焼き)や関東のくず餅、糊や菓子の原料にされます。
中国では麺筋(めんきん)と呼ばれ、宋代に書かれた『夢渓筆談』にもその名が登場します。
日本では「麩」という字で麬(ふすま)を指し、後にその加工品である麪筋にもこの字が当てられました(『本朝食鑑』)。
また、小麦そのものが中国大陸から伝来されたことから唐粉(からこ、殻粉)とも称しました。
鎌倉時代には唐粉を宮廷に貢納する供御人(唐粉供御人)がいました。
「麩=ふ」としての最古の記録は南北朝時代に書かれた『嘉元記』正平7年(1352年)5月10日条に登場する「フ」の記述です(なお、同条に「フ」と併記されている「ウトム」がうどんの最古の記録とされています)。
禅宗の広まりとともに精進料理や懐石料理などで麩が採用され、日本の食卓でも馴染みのものになっていきました。
なお、中国では麩の原料のグルテンを麩質(ふしつ)もしくは麩質蛋白(ふしつたんぱく)と呼びます。