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12月2日は安全カミソリの日

 

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今日は何の日?

12月2日は安全カミソリの日

 

1901年、アメリカ人のジレットが替え刃式の安全カミソリを考案し、特許をとりました。

 


安全剃刀とは、皮膚を刃の先端部分以外の全てから守る軽便な剃刀です。


刃物であるため、実際には絶対に安全というわけでなく、在来の直刃の剃刀に比較して「安全」であるために「安全剃刀」と呼ばれます。


近代以降において普及した製品のほとんどは、柄から脱着できる使い捨ての刃を用い、刃を研ぐことを不要としています。

 


安全剃刀の発明以前、男性がヒゲを剃るときには、長い直刃の剃刀を使っていました。


このような剃刀は使用に慣れを要する危険な道具であり、必然的に髭剃りは専門技能になり、理髪店で剃ってもらうのが一般的となりました。


直刃の剃刀は21世紀初頭でも販売されていますが、使用や研ぎには熟練と注意を要するため、専らプロの理容師の扱うものとなり、一般にはあまり使われなくなっています。

 


最初の安全剃刀は18世紀末にフランス人ジャン=ジャック・ペレが発明しました。


ペレは鉋(かんな)を見て思いついたといいます。


彼は刃物の専門家であり、Pogonotomy or the Art of Learning to Shave Oneself(ひげそり術)という本も出版しています。


1820年代末、それに似た剃刀がイギリスのシェフィールドで作られています。


また1870年代ごろから鍬形のハンドルに片刃の剃刀を装着した形のものがイギリスやドイツで出回るようになっていきました。


ヨーロッパでは"Comfort"の剃刀などが売られていましたが、この時代の安全剃刀は本当に「安全」とは言えないものでした。


1880年、アメリカでKampfe Brothersが安全剃刀の特許を取得しました。


そこには「小さな刃は適当なフレームで保持され、刃の先端が皮膚に食い込むことを防止するガードがついている」とあります。


この新たな剃刀は刃の先端に沿ってガードがあるのが特徴で刃は片方だけを使い、研ぐために頻繁に取り外せるようになっていました。

 


1901年、アメリカの発明家キング・キャンプ・ジレットはウィリアム・ニッカーソンの協力を得て、使い捨ての薄い刃を使った安全剃刀を発明しました。


専用のホルダーに刃をねじ留めする構造を採用し、切れ味が鈍った刃は使い捨てて新しい刃に取り換えることで、極小の刃を研ぐ面倒な手間を省きました。


長方形に加工された小さく薄い鋼片の長辺2辺に刃が付けられており、「両刃」と呼ばれます。


ホルダーに装着された刃は大部分をカバーされて刃先だけがわずかに露出しており、使用中の深い創傷を防ぐようになっていました。


このため、大多数の人々が初めて自分で安全にヒゲを剃れるようになりました。


当時の競合他社も似たような安全剃刀を発売していましたが、いずれも刃は使い捨てではなく研いで使い続ける方式で、昔ながらの革砥を使うか専用の機械に刃を通して研ぐ必要がありました。


それらに比べてジレット式の使い捨て刃では使い勝手が格段に改善されました。


また刃を研いでの再利用を考慮する必要が無く、研ぎ代の厚み確保が不要なため、剃刀に必要な高品質の刃物鋼は最小限の使用で済み、製造資材コストの面でも有利となりました。


ジレットの着想が卓抜していた点は、安全剃刀自体の完成度の高さに留まらず、その構造を活かしたビジネスモデル構築に成功したことにありました。


ホルダー部分を安く売って普及させれば、消耗品として継続した替え刃の市場が生まれ、そこで長期的な利益を上げられると思いついたのです。


これを「剃刀と替え刃のビジネスモデル」あるいはロスリーダーなどと呼び、その後様々な製品で応用されるようになりました。


このアイデアを実現すべくジレットは1901年12月3日に特許を申請し、1904年11月15日にアメリカ合衆国特許 #775,134が発効しました。


1902年、ジレットはこの剃刀の生産を開始しましたがホルダー本体51個、替え刃168枚しか売れませんでした。


しかし、ホルダー本体を飲料などのおまけ景品として無料配布したところ、1904年には9万個の剃刀と12万3000枚の替刃を売り上げ、ビジネスは次第に軌道に乗り始めました。

 


第一次世界大戦中、ジレットは軍と契約し、ヨーロッパに出征する兵や将校の標準装備としてジレットの安全剃刀と替え刃を供給しました。


戦争が終わるまでに軍に350万本の剃刀本体と3200万枚の替え刃を供給し、おかげでアメリカ中の男性がジレットの安全剃刀を使うようになりました。

 


ジレットは1960年代まで炭素鋼の刃を製造していました。

これは錆びやすく、頻繁に刃を変える必要がありました。


1965年、イギリスのウィルキンソン・ソードはステンレス鋼製の刃を発売しました。

これは錆びにくく、刃がなまくらになるまで繰り返し使用可能です。


ウィルキンソンはイギリスを含めたヨーロッパ市場で急速にシェアを伸ばしたため、ジレットはそれに対抗するためステンレス鋼への転換を余儀なくされました。


今日では安全剃刀の刃はほとんどがステンレス鋼製です。


今でも炭素鋼製の刃も使われており、以前に比べればかなり進歩しています。


最近の炭素鋼製の剃刀は、使う度にアルコールですすげば錆びません。


実はジレットは以前からステンレス鋼の剃刀の特許を持っていたが使っていませんでした。


このため顧客に錆びやすい剃刀(の替え刃)を売りつけているとして告発されたことがあります。

 

安全剃刀と一口に言っても、様々な剃刀があります。


その中でもそれほど一般的ではないものとして、片刃の安全剃刀があります。


この場合、剃刀の刃の部分が両刃ではなく片刃になっています。


片刃の安全剃刀ではAmerican Safety Razorが"Ever-Ready"のブランドで販売していたものが有名で、その刃の部分は"'Radio' Blades"と呼ばれていました。


同社は"The Honest Brush"の製品名でシェービングブラシ(Shave brush)も製造していました。

 


また、Gem Safety Razorは"Gem Damaskeene Razor"の製品名で片刃の安全剃刀を販売していました。


剃り味がよいことから欧米では片刃の安全剃刀の愛好者がおり、替え刃もドラッグストアなどで比較的容易に入手できます。

 

 

1970年代初めごろまで、安全剃刀の替え刃は一枚の使い捨て式の刃が主流でした。


刃は両刃か片刃で、安全剃刀本体の設計に応じて使い分けました。

ホルダー共々基本構造はごく単純なものでした。


このような安全剃刀のホルダーは、ドイツのMerkur、パキスタンのTreet、中国のWeishi、インドのParker、日本のフェザーといった企業が今も生産しています。


替え刃はアメリカ、イスラエル、ロシア、日本、エジプト、イギリスなど世界各国で生産されています。


両刃の替え刃は炭素鋼・ステンレス鋼を問わず、ジレットの原型に起源を持つほぼ同一の寸法で生産されており、大方のホルダーに装着できる互換性を有します。

 


一枚刃の安全剃刀は、直刃に比較すると扱いが楽になったものの、替え刃の装着時にネジの締め具合で微妙に刃の角度を調節する必要があり、不注意によってネジの締め具合が甘いと刃が立ちすぎ、容易にカミソリ負けを起こしました。


対策にジレットは刃の角度の調節機構のついたホルダーを開発したが、根本的な解決にはなりませんでした。


また両刃は、交換時に注意しないと指を傷つける危険がありました。


そこで、あらかじめ刃をプラスチック製の外枠に一定角度で固定したカートリッジにして、ヘッド部分ごと交換する方式が考案されました。


このカートリッジ方式が、今も主流として使われています。


1965年、ジレットは鋼製の帯によるカートリッジを採用したテクマテックという安全剃刀を発売しました。


ジレットやシックがなぜカートリッジ式に移行したのかについては、これまでもよく議論されてきました。


1つの説は、カートリッジ方式にすることによってその企業の替え刃へのコントロールが強化されるからというものです。


ジレットの最初の特許は古いものであったため、両刃剃刀普及後の市場独占権は中途で失われ、カートリッジ以前の両刃では、世界中でサードパーティ製の替え刃が販売されていました。


それが熾烈な価格競争を生じ、結果として企業の利益を圧迫していました。


古典的な両刃の替え刃を製造する企業は、今も世界中に20社以上存在します(ASR, Dinosaur, Goldcow, Bic, Merkur, Wilkinson, Gillette, Panda, Feather, Derby, Crystal, Astraなど)。


しかしジレットがTrac IIを発売したとき、そのカートリッジを発売できたのは数社に過ぎません。


替え刃への独占が維持できれば、メーカーはその価格を自由に上げることができます。
アメリカで最新式多数刃カートリッジ式替え刃の価格は高ければ3ドルか4ドル程度、日本では500円以上する場合もありますが、両刃の替え刃は安いものでは10セント、日本で30円か40円からです。

 

 

1971年ごろ、ジレットはFrancis DorionがデザインしたTrac IIを発売しました(日本ではGII)。


これはアメリカで最初に発売された複数刃の安全剃刀です。


そのカートリッジには刃が2枚装備され、刃先への圧力を分散して肌への食い込みを軽減しています。


ジレットはTrac IIを特許で防衛し、同社のカートリッジを確実に何度も購入してもらえるようにしました。

これは、かつての剃刀と替え刃の販売哲学の自然な発展です。


同社は次にAtra(Contourとも、日本ではアクタス)を発売しました。


これは首振り式でヘッド部分が動くようになっていて、皮膚の形状に密着しやすいとされていました。


その後、いわゆる「スムーサー」を導入したTrac II PlusやAtra Plusが登場。


更に2枚ある刃をそれぞれ独立サスペンションで調節するSensor(センサー)を投入しました。


同社はこれらの新製品を、従来のものより高い価格で販売し、利益を増やしていきました。


競合するシックなどもこの動きに素早く追随して2枚刃式の安全剃刀を発売し、市場の主流は二枚刃に移りました。


当時、各ブランドのカートリッジには互換性がなく、各社は顧客の囲い込みを狙っていました。


現在市場の中心はより多数の刃のあるモデルに移り、ジレットは二枚刃のホルダーを廃番にしていますが、同社のシステムはある程度の互換性があり、ウィルキンソンなど数社から適合するカートリッジが供給されています。


このため二枚刃カートリッジは一個あたり数十円程度と多数刃にくらべ非常に安価で、今なお使用者が多いです。


また業務用に根強い需要があり、替え刃が数十個単位や、100個以上のパッケージで販売されています。

 


もう1つのイノベーションは1974年、ビックが発売した使い捨て式の安全剃刀です。


ホルダー部を低廉なプラスチックで成型してヘッド部分に刃を固定、刃のみを交換するのではなく、安全剃刀全体を使い捨てできるものにしました。


ジレットはこれに対抗してGood Newsという使い捨て式安全剃刀を北米で1976年に発売しました。この時点でビックは北米市場に参入できていませんでした。


ジレットはさらにスムーサーを追加したGood News Plusを発売。日本では「ブルーII」という製品名で1986年に発売しました。


このタイプの使い捨て剃刀は、携行しやすさを生かした旅行・外出向けなどのほか、ホテル客室の宿泊者用備品、サウナ・共同浴場などの入浴者向けの使い捨て用など、業務用アメニティー供給に適しており、市場に一定のシェアを獲得しています。


ヘッド部からハンドルに至る全体をプラスチックで一体成型したものが、コスト面で有利なためもっとも主流ですが、ネックにヒンジを備えてヘッドを可動式にした分割式も見受けられます。


また一体式でも、貝印の一部製品のようにグリップ部までを金属の薄板で成型した製品が存在します。

 


1998年、ジレットは初の3枚刃カートリッジ式安全剃刀Mach3(日本では「マッハシンスリー」)を発売。


後にSensorを3枚刃にしたSensor3を発売しました。このころからシックとの開発競争が激化します。


両社の開発競争は1970年代からパロディ化されており、1975年の『サタデー・ナイト・ライブ』でもそのようなネタのエピソードがありました。


2004年、The Onionに掲載された風刺記事"Fuck Everything, We're Doing Five Blades"では5枚刃の登場を予言していました。


これは実際に5枚刃カートリッジが登場する2年前のことです。


シックはMach3にQuattroで対抗しました。


世界初の4枚刃カートリッジです。これらのイノベーションを市場に投入する際は、より簡単によりよい剃り味を達成できると喧伝しています。

 


2008年、イギリスのKing of Shavesは4枚刃のAzorを発売しました。Azorは競合製品よりも構造が単純ですが、首振り式ではなく自在ヒンジを採用しています。


またジレットは 2010年に5枚刃のFusion(フュージョン5+1)を発売し、これは五段重ねの本刃の他に、キワ剃り用の刃が付いています。


さらに韓国メーカーのドルコが2012年に6枚刃、さらには7枚刃を売り出し、枚数の多さが競争になった観があります。

 


また、最近は電池を装備して刃を振動させる電動カミソリが開発され、ジレットからはM3Power(エムスリー・パワー)が発売されています。


この振動は、毛を剃る前に立たせて剃りやすくするのだといいます。この主張は裁判で「確証がなく不正確」だとされました。


シックも同様の電動機能を持つSchick Quattro Powerを発売しています。

 


安全剃刀は男性用と女性用が別々に製品化されています。


単に色が違うだけの使い捨て式のものもあれば、設計原則が全く異なるものもあります。


男性が専ら顔の髭剃りを剃刀の主用途とするのに対し、女性は顔面に限らず、手足や脇などの無駄毛を除く美容上の目的で剃刀を用いるため、これを加味した女性用安全剃刀は様々なタイプが製造されています。


女性用の安全剃刀は柄が長く握りやすさを考慮したものが多く、剃る場所によって柄の形状を特化させたものもあります。